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2023.01.29 創業融資

創業融資の利率(金利)はどれくらい?下げることは可能なのか?

創業融資の金利(利率)はどのくらいかかる?種類ごとに解説

最終更新日 2024年2月15日

創業のための資金を借りたくても、実績がなければ民間の金融機関から融資を受けるのは難しいです。そこで、これから事業を始める方が活用したいのが「創業融資」です。

今回は、制度融資の種類や利率について解説します。自分に合った創業融資を見つけられるので、ぜひ最後までご覧ください。

新創業融資制度の利率(金利)は?

新創業融資制度

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は、これから事業を始める方や、事業を始めてから税務申告を2期終えていない方が対象となります。無担保・無保証で受けられるため、多くの創業者が利用している制度です。

融資限度は3,000万円(うち運転資金1,500万円)ですが、一般的には300万円前後の融資額が多くなっています。

新創業融資制度の利率は次の通りです。

基準利率2.40~3.60
特別利率A2.00~3.20
特別利率B1.75~2.95
特別利率C1.50~2.70
特別利率D1.75~2.65
特別利率E1.00~2.20
特別利率J1.35~2.55
特別利率P2.20~3.10
特別利率Q2.00~2.90

*令和6年2月1日現在
*出典:日本政策金融公庫「国民生活事業(主要金利一覧表)

基本的には基準利率が適用されますが、事業主の年齢や経歴・事業内容などの条件に応じて特別利率A~Qが適用されます。

中小企業経営強化資金の金利(金利)は?

中小企業経営強化資金

中小企業経営強力資金も日本政策金融公庫が実施している、これから創業する方のための融資制度です。この融資に申し込むには、事業計画を策定するなど条件があるため、詳しくは日本政策金融公庫の公式サイトにて内容を確認してください。

中小企業経営強化資金は、特別利率Aが適用されます。令和5年1月4日時点での利率は、1.75~2.75%です。融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)なので、新創業融資制度と比べると多くの資金を借りられます。

ただし、この融資に申し込むには、認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方という条件があります。

また、融資を受けた後に事業計画の途中経過報告も必要となるため、新創業融資制度よりもハードルが高いと言えるでしょう。

創業融資には代行サービスもあります。こちらの記事「創業融資の代行サービスの探し方やメリットを分かりやすく解説」で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。

信用保証協会付き融資の利率(金利)は?

この融資では、金利が最大2.00%と設定されています。利用者は、固定金利と変動金利のどちらかを選べる特徴があります。

固定金利の場合、返済期間に応じて1.5%から2.0%の範囲で金利が定められています。一方、変動金利は「短期プライムレート+0.2%」で決まり、銀行ごとに異なる基準金利に基づきます。

例えば、ある銀行の短期プライムレートが1.475%なら、金利は1.675%となります。ただし、この融資を利用する際には、金利以外にも1%程度の保証料が必要です。

重要なのは、返済期間や金利タイプによって、最適な選択をすることができる点です。

制度融資の利率(金利)は?

制度融資

制度融資とは、自治体・金融機関・信用保証協会が連携して小規模事業者を支援する融資制度です。

制度融資の内容は自治体ごとに異なります。東京都であれば「東京都中小企業制度融資」を実施しています。この融資は、これから都内で創業する方や、創業してから5年未満の事業者などが利用できます。

利率は以下の通りです。

固定金利

融資期間利率
3年以内1.9%以内
3年超~5年以内2.1%以内
5年超~7年以内2.3%以内
7年超2.5%以内

変動金利
短期プライムレート+0.7%以内

参考:東京都創業NET「東京都中小企業制度融資『創業』

認定特定創業支援等事業による支援又は商工団体等による創業支援を受けて、証明を受けた場合、上記の融資利率から0.4%優遇されます。

ただし、制度融資は信用保証協会による保証を受ける必要があるため、信用保証料が発生します。

通常、信用保証料は融資を受ける方が全額負担しますが、この融資では東京都が1/2を負担してくれます。

日本政策金融公庫の創業融資の利率(金利)を下げるためのポイントとは?

日本政策金融公庫の創業融資の利率(金利)を下げるためのポイントとして、下記の4つが挙げられます。

  • 返済期間を7年以内にする
  • 担保をつける
  • 保証人をつける
  • 災害貸付かどうか

それでは、順番に解説していきます。

返済期間を7年以内にする

基本的には返済期間がを短くすることで、融資の利率を下げることができます。基本的には返済期間を7年以内にすると、低い金利が適用されます。

担保をつける

日本政策金融公庫で、担保の有無によって、利率がどのように変わるか見てみましょう。

担保有り担保無し
基準利率1.10〜2.902.10〜3.30
特別利率A0.70〜2.501.70〜2.90
特別利率B0.55〜2.251.45〜2.65
特別利率C0.50〜2.001.20〜2.40
特別利率D0.45〜1.951.45〜2.35
特別利率E0.50〜1.500.70〜1.90
特別利率J0.35〜1.851.05〜2.25
特別利率N0.80〜2.001.80〜2.40
特別利率P0.90〜2.401.90〜2.80
特別利率Q0.70〜2.201.70〜2.60
特別利率R0.90〜2.201.90〜2.60
特別利率U0.60〜1.801.60〜2.20

*令和6年2月1日現在
*出典:日本政策金融公庫「国民生活事業(主要金利一覧表)

上記の表から担保をつけたほうが利率は低くなることが分かります。

保証人をつける

基本的に日本政策金融公庫の創業融資では、担保や保証人は不要です。しかし、担保や保証人をつけることによって、利率を低くすることが可能です。

災害貸付かどうか

日本政策金融公庫では、災害に遭われた中小企業のための融資も行なっています。この災害貸付は一般的な創業融資の利率と比較して、低く設定されています。

基準利率1.20~2.40
特別利率A0.80~2.00
特別利率B0.55~1.75
特別利率C0.50~1.50
特別利率D0.55~1.45
特別利率E0.50~1.00
特別利率J0.35~1.35
特別利率P1.00~1.90
特別利率Q0.80~1.70

*令和6年2月1日現在
*出典:日本政策金融公庫「国民生活事業(主要金利一覧表)

まとめ

創業融資は主に「新創業融資制度」「中小企業経営強化資金」「制度融資」の3種類があります。それぞれ利率や融資限度額などが異なるため、自分に適した融資に申し込むことが大切です。

事業計画書の策定や申し込む際の融資額の設定など、慣れていない方は専門家と相談しながら進めるといいでしょう。

また、創業融資については、こちらの記事「【徹底ガイド】創業融資とは?種類ごとのメリット・デメリット・流れをご紹介!」で解説しているので、ぜひご覧ください。


この記事の監修者
中田 卓哉
税理士公認会計士
2012年を中央大学商学部卒業し、同年公認会計士試験に合格。2013年に東証一部上場企業に入社し、単体決算、連結決算に従事。2017年にPwCあらた有限責任監査法人に入所し、メーカー、サービス業等の東証一部上場会社の法定監査、IFRS監査、米国基準監査に従事。その後、2021年よりストラーダグループに参画。クライアントを深く理解し、クライアントの立場に立ったサービス提供することをモットーとしている。趣味は、愛猫と遊ぶこと。
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