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2023.07.26 会社設立

【知らないと損】会社設立時の節税対策で知っておきたいこと6選

【知らないと損】会社設立時の節税対策で知っておきたいこと6選

最終更新日 2024年2月14日

会社設立を検討している方にとって、考えたいポイントが「節税」です。節税をして税金の負担を減らすことで、その分の資金を事業投資に使うことができます。

この記事では、会社を設立したときに可能な節税対策を6つ解説しています。個人事業主から会社設立を検討されている方にとって、必見の内容となっているので、ぜひ最後までお読みください。

なぜ会社設立時に節税が重要なのか?

なぜ会社設立時に節税が重要なのか?

会社を設立する際、最初に経験する可能性があるのが税金の負担です。しかし、知識と計画を持つことで、この負担を軽減できます。

節税は、利益を最大化し、会社の財政健全性を保つために重要です。

さらに、法的に認められた節税策を利用することで、企業の成長をサポートし、長期的な成功を追求することができます。

節税は企業利益と直接関連しています。税金の負担を減らすことで、その分の資金を他の重要な事業投資に使用することが可能となります。

これにより、会社の経済的な健全性が維持され、企業の成長と拡大に繋がります。

会社設立時の節税対策で知っておきたいこと6選

会社設立時の節税対策で知っておきたいこと6選

設立時から考えるべき節税対策は多岐にわたります。以下では、会社形態の選択と資本金設定に焦点を当てて、それぞれがどのように節税に繋がるかを探ります。

株式会社と強盗会社で登録免許税が異なる

会社設立時には、設立する法人の形態を選択することが必要です。例えば、株式会社と合同会社では、登録免許税が異なります。

法人形態登録免許税
株式会社資本金の7/1000か15万円のうち高い方
合同会社資本金の7/1000か6万円のうち高い方

会社を設立する際に請求される登録免許税は、合同会社のほうが安いことが分かります。

資本金設定による節税

資本金を1,000万円未満に設定することで、節税効果を期待できます。

法人住民税(均等割の額)消費税
資本金1,000万円未満7万円1〜2期目は免除
資本金1,000万円以上18万円〜1期目から納税義務あり

このように資本金を1,000万円未満にすることで、法人住民税・消費税の節税効果があります。

役員報酬で節税

会社を設立すると、役員報酬を給与所得として受け取り、給与所得控除が適用されることで節税効果が生じます。具体的には、個人事業主の場合、必要経費を除いた売上が事業所得として課税されます。

しかし、会社設立後は役員報酬が経費となり、会社の税金が減少します。役員個人にとっては、給与所得控除が適用されるため税負担が軽減されます。

例えば、年間報酬が800万円であれば、給与所得控除の200万円が引かれた後に課税されるため、節税効果として約60万円を享受できます

このように、「給与所得控除」は、会社設立時の税金面での大きなメリットとなります。

退職金の支給で節税

会社を設立し、5年以上勤務した役員に退職金を支払うことで、有利な「退職所得」税制が適用可能となり、節税効果が得られます。具体的には、退職金から退職所得控除を引き、その後で半分にした金額が課税されます。

さらに、この税金は他の所得と分離されるため、「累進税率」の影響が軽減されます。これにより、「トリプル節税」が可能となります。

個人事業主でも「小規模企業共済」制度を活用すれば、一定の節税が可能です。また、退職金は死亡時の相続税に対する非課税枠が存在するため、相続税法上も有利となります。

家族・親族を役員にすることで所得を分散する

会社を設立すると、家族へ役員報酬や給与を支払って所得を分散することが可能になり、所得税の「累進課税」を軽減することで節税が可能です。

さらに、給与所得控除(65〜220万円)を家族にも適用することで、所得分散効果は一層増します。

個人事業主でも家族への給与支払いは可能ですが、金額上限や条件等に制約があり、会社設立による節税の自由度は高いと言えます。例えば、年間100万円の役員報酬を2人の家族に支払い、それらが他の収入を持っていない場合、「年間役員報酬100万×2人×実効税率35%=70万円」の節税効果が期待できます。

法人税の適用可能

日本では、所得が高くなるほど累進課税制度により、所得税の税率が高くなり、税金の負担が増えます。しかし、会社を設立することで、所得税ではなく、法人税が適用されます。

実際に所得税と法人税の税率を、下記の表で見てみましょう。

個人事業主の課税所得に対する税率

年間所得金額所得税率
195万円以下5%
195万円超~330万円以下10%
330万円超~695万円以下20%
695万円超~900万円以下23%
900万円超~1,800万円以下33%
1,800万円超40%

法人事業の課税所得に対する税率(資本金1億円以下の場合)

年間所得金額所得税率
800万円以下15%
800万円超23.2%

上記の表から個人事業主で年間所得が900万円を超えると、所得税率が33%に上がるため、法人化を検討するタイミングと言えます

節税専門家との連携

節税専門家との連携

節税戦略は専門的な知識を必要とします。以下では、その知識を持つ専門家との連携の重要性について説明します。

税理士とのパートナーシップの重要性

税理士は、税金に関する専門的な知識と経験を持つ専門家です。税理士と連携することで、適切な税務処理を行い、最大限の節税効果を得ることが可能です。

また、税法改正に対する対応や、税務調査への対応等についてもサポートを受けることができます。

節税コンサルティングサービスの活用

近年では、節税に特化したコンサルティングサービスも増えてきています。これらのサービスを利用することで、自社に最適な節税戦略を立てることが可能となります。

また、定期的な税制変更に対応したアドバイスを受けることも可能です。

会社設立時の相談において、専門家別の特徴について「起業時の会社設立の相談はどこにする?専門家別の特徴をご紹介」の記事で解説しているので、参考にしてみてください。

節税戦略の長期的な展開

節税戦略の長期的な展開

節税戦略は一度立てればよいものではなく、企業の成長とともに進化し続けるべきものです。以下では、税制改正への対応策と国際税務について詳しく解説します。

税制改正への対応策

税制は定期的に見直され、改正されるものです。これに対応するためには、最新の税制情報を常に把握し、適切に対応する必要があります。

税制改正により、新たな節税の機会が生まれることもありますので、情報を逃さないようにすることが重要です。

国際税務における節税戦略

企業が海外展開をする際には、国際税務の知識が必要となります。各国の税法や租税条約、移転価格税制などを理解し、これらを適切に活用することで、国際的な節税を図ることができます。

ただし、国際税務は非常に複雑であるため、専門家の助けを借りることをお勧めします。

まとめ

【知らないと損】会社設立時の節税対策で知っておきたいこと6選

企業の設立から成長まで、節税戦略はとても重要です。

節税は、財務健全性の維持・企業の拡大・海外展開など、企業活動のあらゆる面で影響を及ぼします。そのため、専門的な知識を持つ人々と協力し、自社に最適な節税戦略を立て、それを維持し続けることが求められます。

会社設立における節税戦略は、企業の長期的な成功に大きく関係することが分かります。

また、会社設立後にかかる税金について、別記事の「会社設立後にかかる税金まとめ!いつから納税義務は発生する?」で解説しています。あわせてご覧になってみてください。

この記事の監修者
山田 直輝
代表社員税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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