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2021.06.29 基礎知識

会社設立における社会保険加入について(例外)

最終更新日 2021年11月9日

社会保険とは?

法務局にて会社設立手続きを行った後、速やかに手続きしなければならないのが社会保険です。

社会保険のうち、健康保険と厚生年金の加入手続きについては、会社設立から5日以内に、会社の所在地にある所轄の年金事務所に必要書類を届け出なければなりません。

書類の提出方法は、窓口への持参、郵送、電子申請といった手段の中から選ぶことが出来ます。

この社会保険は、法人登記をするか、個人事業主でも5人以上の従業員を抱えている場合に、原則加入義務が生じるものなのですが一部例外があります。

会社設立時、社会保険に加入しない例

社会保険は本来なら、従業員のいない社長一人の会社でも加入義務があります。

もし加入手続きを行わずに放置していると、発覚した時に過去2年間に遡って保険料が徴収されることになるので注意が必要です。

ただこの社会保険の加入義務には例外があり、その例外というのは次のようなケースです。

【社長一人だけの会社で役員報酬がゼロ】

いわゆる「一人起業」という形態で法人を立ち上げた際によくあるケースです。

例えば、会社の立ち上げから1年間が赤字決算になることを想定していたため、役員報酬をゼロに設定している。

このように役員報酬を設定していないケースでは、社会保険に加入することができません。

【報酬金額が保あ険料を下回る額である場合】

社長が受け取っている報酬金額が、保険料を下回ってしまうような金額だと、加入を断られてしまいます。

例えば、月額5000円程度の役員報酬しか受け取っていない場合では、健康保険および厚生年金保険料の最低金額よりも確実に低くなるため、社会保険へは加入できないことになります。

【臨時社員しか雇っていない場合】

日雇い労働者や試験採用、2ヶ月以内の期限付き採用などの臨時社員に対しては社会保険の加入義務はありません。

ただし、従業員を常勤雇用している場合は、社会保険加入の義務が生じます。

常勤雇用というのは、正社員や契約社員など、社員の雇用契約は関係ありません。

常に勤務している社員に対しては、社会保険への加入が義務づけられています。

ちなみに、パートやアルバイトを雇用した場合でも、あらかじめ働くことが決まっている労働時間が20時間以上である場合と、1ヶ月の賃金が88000円以上ある場合、雇用期間の見込みが1年以上である場合は、社会保険加入の対象になります。

(※平成29年度から新しく加入対象条件が定められました。従来だと、一般正社員の労働時間もしくは労働日数の4分3以上であることが社会保険加入の条件でした。)

すなわちそれ以下であれば、臨時社員と同じく社会保険の加入義務は生じないということになります。

この記事の監修者
山田 直輝
代表社員税理士公認会計士行政書士
2009年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、メーカー、サービス業、学校、商社等の上場一部企業の会計監査や内部統制監査を行う。監査班では、監査の主任業務を経験した。その後、アドバイザリー部門に部署異動をして、ベンチャー企業支援、賠償業務算定の構築や上場支援業務、企業リスクにおけるリスクマネジメント業務を行う。上場は、リクルートの上場経験を有する。2015年に独立して、ストラーダ税理士法人を設立。「敷居が高くて堅苦しい」税理士のイメージを払拭し、「初めての方でも馴染みやすい」税理士でいることをモットーにしている。趣味は、愛娘と遊ぶこと。
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