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2022.12.5 相続税

不動産相続のよくあるトラブル5選!事例と対策をチェックして備えよう

不動産相続のよくあるトラブル5選!事例と対策をチェックして備えよう

最終更新日 2024年2月14日

相続のときに特にトラブルになりやすいことが、「不動産相続」です。

不動産相続のトラブルは他人事ではなく、あなたのご両親が住んでいる実家の不動産が原因で、相続トラブルに発展するケースは多々あります。

また、不動産相続のトラブルは解決までに長い時間を要することが多いです。

この記事では、不動産相続のトラブルでよくある事例をランキング形式でご紹介し、その対策を解説しています。

不動産相続のトラブルに巻き込まれる前に、この記事を読んで対策を行うようにしましょう。

また今回の記事は、こちらの動画「【ゆっくり解説】相続トラブルランキングベスト5」でも分かりやすく解説していますので、あわせてご覧になってみてください。

【前提】なぜ、不動産の相続トラブルは起きてしまうのか?

【前提】なぜ、不動産の相続トラブルは起きてしまうのか?

まず前提として、なぜ不動産の相続トラブルが起きてしまうのかを考えてみましょう。

「不動産を持っているとお金になるから?」ということを考えてしまいますが、本質的な理由は「不動産は平等に分割することが難しいから」ということが挙げられます。

現金であれば1円単位で分割をすることができますが、不動産の価値は人それぞれで、平等に分割することは困難です。

また土地から現金にするにしても差が出ますし、実家をいざ相続するとなりますと、「私が1番、両親の面倒を見ていたから、実家はもらいたい」と親族同士でのトラブルに発展しがちです。

今回の記事で、このような不動産相続のトラブルの事例を予め知っておき、その対策を理解するようにしましょう。

よくある不動産相続のトラブル5選!事例と対策をチェック!

よくある不動産相続のトラブル5選!事例と対策をチェック!

ここからは、よくある不動産相続のトラブルをランキング形式で5つご紹介します。その5つのトラブルは、こちらになります。

1位:土地を平等に分けようと考える
2位:兄弟同士のトラブル
3位:意見の衝突
4位:名義に関するトラブル
5位:空き家として放置して近隣住民と揉める

それでは、順番に解説します。

不動産相続トラブル第5位:空き家として放置して近隣住民と揉める

まず、不動産相続トラブルの第5位は、「空き家として放置して近隣住民と揉める」です。

不動産を相続後、空き家として放置しておくとトラブルになりやすいことを知っていますでしょうか。例えば、このようなトラブルに発展する可能性が高いです。

  • 電気代の未払いで支払いをまとめてしないといけない
  • 家の草木が生い茂って、近隣住民からクレームが来る
  • 空き家が犯罪集団の拠点になる
  • 空き家が放火される

このような不動産相続のトラブルを防ぐために、不動産相続後は絶対に放置しないようにしましょう。

具体的には、リロケーションや賃貸で実家を誰かに貸す、または売却するなどの対策をしてください。

不動産相続トラブル第4位:名義に関するトラブル

不動産相続トラブルの第4位は、「名義に関するトラブル」です。

相続する不動産や土地の登記状況を確認していないことで、トラブルに繋がることがありますので、注意が必要です。登記をしっかりしておかないと、このようなトラブルが発生します。

  • 他の人に貸したり、売ったりすることができない
  • 新しく家を建てることができない

特に不動産相続のトラブルで多いことが、ご両親が名義変更を忘れていた時です。ご両親の名義のままにしておくと、相続した不動産を活用するときの手続きがとても複雑になります。

また、そのほかに厄介なトラブルが「未登記物件」です。未登記物件は、司法書士への依頼が必要となり、費用が発生してしまいます。

スムーズな不動産相続を行うために、事前に不動産の登記状況を把握するようにしましょう。

不動産相続トラブル第3位:意見の衝突

不動産相続トラブルの第3位は、「意見の衝突」です。

兄弟が多い場合、不動産をどのように相続するかで意見が別れ、衝突してしまうケースは多々あります。相続人が多くなると、不動産の相続への考え方も人それぞれなため、最悪の場合は裁判に発展するケースも珍しくありません。

 この「意見の衝突」のトラブルの対策は、後両親と事前に不動産の相続について相談しておくことが大切です。またご両親が亡くなる前に、遺言書を作成してもらうようにしましょう。

いざ相続のときに決めるのではなく、ご両親の意思を尊重した不動産相続が出来るよう、事前に相談することが大切です。

不動産相続トラブル第2位:兄弟同士のトラブル

不動産相続トラブルの第2位は、「兄弟同士のトラブル」です。

第3位と似ていますが、特に兄弟同士のトラブルは多いです。兄弟同士のトラブルとして、こちらの事例を見てみましょう。

(事例)
弟が実家で両親の介護をしており、兄は全く介護をしていませんでした。弟としては、自分が1番両親の面倒を見ていたため、相続を1番もらうべきだと主張しています。

しかし弟は結婚しており、祝い金として500万円を両親からもらっていました。兄は未婚のため、500万円の祝い金はもらっていません。

兄弟同士の意見が衝突し、相続トラブルになりました。

この相続トラブルの対策は、親御さんの意識がある時にしっかり決めておくことです。ご両親が生きているうちに、家族全員が同席して、不動産をどういう扱いにするか決めておくことが大切になります。そして、遺言書も作成してもらうようにしましょう。

不動産相続トラブル第1位:土地を平等に分けようと考える

不動産相続トラブルの第1位は、「土地を平等に分けようと考える」です。

土地を平等に分けるのは良いですが、その後の土地活用が大変になります例えば、将来不動産の売却を検討したときに、2人が不動産を持っている場合は、2人の同意がないと売却することができません。

1人分の土地だけ売却することもできますが、通常の価格と比較して、割安の価格での売却になることも多いです。

その2人がさらに、2人の人に相続をした場合、合計4人の人が土地の所有者になるため、ますます売却が困難になります。

この不動産相続のトラブルの対策は、やはり「家族での話し合い」になります。将来、この不動産をどうするのかを相談することが大切です。

また土地を分筆して、それぞれが相続するという方法もあります。そのほかに、土地を売却して、その売却金を兄弟で分割するケースもあります。

まとめ

不動産相続のよくあるトラブル5選!事例と対策をチェックして備えよう

今回は、不動産相続のトラブルでよくある事例を、ランキング形式でご紹介してきました。最後にもう一度まとめておきます。

1位:土地を平等に分けようと考える
【対策】
土地を分筆する、売却して現金化する

2位:兄弟同士のトラブル
【対策】
事前に家族や親族で話し合いをする、遺言書を作成してもらう

3位:意見の衝突
【対策】
事前に家族や親族で話し合いをする、遺言書を作成してもらう

4位:名義に関するトラブル
【対策】
事前に不動産の登記や状況を把握しておく
未登記物件になってしまった場合は、司法書士へ相談する

5位:空き家として放置して近隣住民と揉める
【対策】
空き家は放置せず、賃貸や売却などを検討する

どの不動産相続のトラブルにおいても、事前に家族や親族と話し合いの場を持ち、将来どうするのかを決めておくことが大切です。そして、ご両親が生きているうちに、遺言書を作成してもらいましょう。

また自分達で解決することが難しい場合は、専門家にアドバイスを求めるようにしましょう。

税理士に相続の相談を検討している方は、こちらの記事「【徹底解説】税理士に相続を依頼するときの費用・料金はいくら?」をあわせて参考にしてみてください。

この記事の監修者
塚田 拓也
税理士公認会計士
2008年公認会計士試験に合格、その後、Deloite Touche Tohmatsu(有限責任監査法人トーマツ)に入所し、製造業、小売業、商社等の上場会社を中心とした法定監査に従事。有限責任監査法人トーマツのマネージャーまで経験した。また、監査業務を中心に、決算早期化やIFRS導入支援等のアドバイザリー業務を経験。2018年にストラーダグループに参画。「クライアントの期待を超える」「分かりにくいを分かりやすいに」をモットーに、税務支援に従事している。趣味は、月に1回行うフットサル。
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