実際に50代で起業し、飲食店を起業した方の体験談をご紹介いたします。

起業の経緯~退職の決意

私は食品の卸売を行う企業に28年勤務し、会社を退職しました。退職した理由は、現場でお客様と接する中で、自身の店を構えたいという夢を持っていたためです。退社当時は管理職という立場でしたが、若手時代の営業で築いた、食品生産業者との人脈や卸として食品を扱うという仕事感覚の様なものが起業の原動力となりました。
設立資金は、退職後の生活の質を会社員時代から大きく下げないという約束を妻としていた為、借金はせずに退職金の範囲内で済む様に事前に計画を立てました。

開業準備~家族の協力

私は会社に属している時期から綿密な事業計画を作成し、最低限の開業資金で足りるように見積もりをしていました。事業計画は私の仕事経験を活かせるよう作成しました。
特にこだわったことは店舗の立地です。開店時は知名度もない上にフランチャイズの予定は無かったことから、駅とオフィス街の間に位置する場所に決めていました。当然そのような土地は高額であるため、居抜ける物件を探し当て、初期費用を抑えました。その土地の客層からメニューの原価や内装費用を組み立てました。
退職前からこのような構想は立てていましたが、やはり起業に対する不安は大きなものでした。初めての事業計画を妻に納得させるまでに作成できたのは、知人からこちらの税理士の先生を紹介してもらったことが大きな要因です。
私を担当して下さった先生は、私の休日に合わせて事業に必要な手続き・帳簿作成の基礎についてご指導してくださいました。会社を退職する前から専門知識を得ることが出来た事は、家族の協力や私の自身にも繋がった大きな要因だった様に思います。

創業時の苦労~今後の事業展開

開店当初はお客様が全く入らない日もありました。人件費がまだ掛かっていなかった分、赤字ではあっても何とか続けていくことが出来るという状況でした。そのような状況でしたが、パソコンに疎い私に代わって息子がホームページを作成してくれたことで徐々に新規のお客様が増えていきました。
そのおかげで2年目に入ってからは1日の平均客数が安定してきたため、新たに従業員を採用し、微増ではありますが安定して売上が増加していきました。
その後は様々な施策を取り入れました。お客様の要望を取り入れた時には、新メニューを増やしすぎたことから材料費、廃棄率が膨れ上がり赤字になってしまいました。
そのような危機に対して、妻が調理場を積極的に手伝ってくれるようになり、材料を廃棄しない工夫を考えてくれました。また私の料理とはまた違った妻の創作料理により、固定客もつくようになりました。
今後も試してみたいということは何でも取り入れた店づくりを楽しみたいと思います。