中小企業庁のデータによると、企業が倒産する理由としては以下の様な状況が関係していることが多いと言われています。

1位 販売不振

原因

圧倒的に倒産理由の第1位を占めます。売上が上がらず、資金ショートしてしまうケースです。

対処方法

売上が徐々に減少していく場合に、いかに早く売上が減少していることを察知するかが大切です。そのため、税理士からある程度、頻繁に試算表(決算書の簡易版)を入手し、月次の推移を把握することが大切です。

お金がある時に消費に使わずに、投資に使うことも大切と言えます。

2位 既往のしわよせ

原因

徐々に悪化している経営状況にも関わらず、その現実を注視しないまま資産を食いつぶしてしまうことが原因です。

対処方法

これも、1位の販売不振と対処方法は同じと考えられます。税理士から数ヶ月おきに試算表(決算書の簡易版)を入手して、徐々に悪化していることをまずは認識する必要があります。
その後、次なる投資をしていく必要性があります。また、キャッシュがあれば使わずに万が一に備えて、キャッシュを内部留保しておくことが必要です。

3位 連鎖倒産

原因

特定の得意先に売上が多く依存している場合、その得意先の経営悪化が自身の会社の経営悪化に直結します。いくら売上があるからといって、特定の得意先に依存すると連鎖的に経営が悪くなります。

対処方法

経営リスクの分散をはかるのは経営者の役目です。得意先を分散するのは当然のこと、一部の得意先に依存しているのであれば、売上債権保険に加入しておきましょう。

4位 過小資本

原因

現金は会社の体力を表します。現金がなくなれば、倒産せざるをえません。

資本金制度が撤廃されて、簡単に会社を設立できるようになりました。
しかし、あまりに少額な資本金で起業することは、企業に体力がない状態で起業するために、その分、倒産する可能性が高いことに注意する必要があります。

対処方法

サラリーマン時代に、自己資金を多く貯め、ある程度の体力がある会社を設立することが必要です。

5位 放漫経営

原因

管理体制が構築されず、社員が不正をして現金を全て持ち去る場合や、本業以外の出費が原因で倒産するケースです。

対処方法

売上が上がり、企業が回りだした場合であっても、経営者としてやるべき事はたくさんあります。従業員にとって働きやすい場所を提供したり、社内の仕組み作りを構築することも経営者の仕事です。経営者の仕事を理解するところから始める必要があります。

6位 設備投資過大

原因

計画を立てないために、事業における設備投資において、過大な設備投資をしてしまい、資金繰りの悪化に伴い倒産するケースです。

対処方法

その場の経営者の感覚で投資を決めずに、精度の高い事業計画書を作成することが大切です。事業計画の作成は億劫な作業ですが、事業においては重要なことです。

6位までの倒産理由を見てきて、共通する事項は、「経営に対する油断」と「計画性の無さ」この2点に集約されるのではないでしょうか。