山田法務編の「債権回収」についてです。

星野債権回収というと取り立てのようなものですか?
あまりそんなことに関わりたくないですが・・・。

山田債権回収から逃げてはいけません!会社経営にとって債権をきちんと回収することは非常に大事なことなのです。
せっかく利益を出しているのに会社がつぶれてしまう「黒字倒産」の多くは売掛金などの債権を予定通りに回収できないことが原因となっているからです。

星野そんなに怖いことだったんですね。

山田このような事態を防ぐためには

  • 契約書をきちんと取り交わしておく
  • 日頃から取引先とのコミュニケーションを密にして、先方の状況を確認しておく

ことが、まずは重要です。

星野それでも回収ができないときはどうすればいいんですか?

山田そのような場合は

  • 「支払督促の申立て」
  • 「少額訴訟」

という方法を取ることが考えられます。

支払催促の申立て

山田「支払督促」とは裁判所が債務者に対し、「お金を債権者に支払いなさい」と督促してくれる制度です。
債権者が「申立書」(簡易裁判所に用紙があります)を裁判所に提出すれば、裁判所の書記官が書類審査するだけで支払督促が発布され、債務者に送達されます。

星野裁判所から、申立書がきたら、びっくりしますもんね。でも、それでも応じない場合はどうなりますか?

山田それでも、債務者が支払督促に応じず、かつ2週間以内に何らの異議申立てがない場合は、債権者の申立てにより裁判所によって「仮執行宣言」がなされます。
「仮執行宣言」が付されると直ちに強制執行することのできる効力が付与されるのです。

星野強制執行された場合どうなるのですか?

山田その場合は、その会社の土地等の財産を差し押さえることができるのです。ただし、相手方が所在不明だと支払督促はできないので注意が必要です。

星野所在不明の場合は注意が必要ですか・・・。やっぱり取引先との関係作りは重要ですね。

少額訴訟

山田契約をしたから終わりというわけではないのです。
2つ目の「少額訴訟」というのは、60万円以下の金銭請求事件に限定して簡易裁判所で定期できる簡略な訴訟手続きのことです。

星野60万円以上だとこれは使えないということですね。

山田その通りです。通常の訴訟に比べて、時間や費用を大きく節約できるというメリットがあります。1日だけの審理で、その日のうちに判決を出すことを原則としています。そのため、あらかじめ勝訴することが明確といえるだけの証拠をきちんと揃えておく必要があります。

星野よくわかりました。

山田債権額が高額な場合は弁護士に相談した方がいいでしょう。最寄りの役所の法律相談などを通して、気に入った弁護士を探すこともできます。

星野なるべく法的手段にならないように契約書はきちんと管理していきます!

山田その意気です!

まとめ

  • 債権回収を怠ると黒字倒産の可能性がある
  • 回収が遅延した場合は、「支払催促の申立」または「少額勝訴」により、対応することを検討する