お金をかけずに、事業を承継する方法はあります。
しかし、お金をかけない代わりに時間をかける必要があります。

お金がなく時間がある場合には、対処方法はあります。
ただし、お金も時間もない場合は、対処できる方法はほとんどありません。

今回の場合ですと、社長にもご子息にも現金がありませんので、株をご子息にお渡しするしかありません。

人にものをあげる場合には、「贈与税」という税金がかかります。しかし、1年間に110万円以内の財産を人にあげる場合には、贈与税はかからないことになっています。このような税金の非課税枠を利用して、贈与していくことが考えられます。

例えば、株価が2,000万円と評価されました。
これを、110万円の非課税枠を利用して、ご子息に贈与していくとすると約19年(2,000万円÷110万円=18.18年)かかることになります。

このように、ある程度の利益が出続けている企業であれば、株価の金額が数百万円や数千万円の評価がつく場合が多々あります。

事業承継とは、社長が事業の第一線を退き、ご子息等に事業を託すということです。
そのため、社長自身がまだ元気だから事業の第一線に立ち続けたいと思われて、事業承継の問題は後に後にされがちです。今はとにかくご自身の事業に集中したいと思われています。
お気持ちは分かりますが、この問題を後回しにすることにより、事業承継するために多額の金額がかかる場合があります。
事業承継は、時間をかけて少しずつ株を贈与していくということが、お金をかけずにご子息に株を引き継ぐよい方法の一つです。

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